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「四葩」制作後記

初めてAdobe After Effectsに挑戦し、紫陽花と和歌をテーマにした映像作品「四葩 Yohira」を制作しました。
普段はPremiere Proを使っていましたが、モーショングラフィックやVFXの表現力に惹かれて、After Effectsの世界に飛び込みました。
ここでは、実際に制作してみて悩んだことや感じたことをまとめます。


1.初心者の壁、After Effectsの操作に四苦八苦する

After Effectsはインターフェースは直感的ですが、Premiere Proと比べると最初はとても戸惑いました。
レイヤー構造やエフェクトのパラメータが多く、どこをどう触れば思い通りの動きになるのか、試行錯誤の連続でした。リンク切れが起きにくいところは唯一の救いでしたが、書き出す方法がわからず、初めて書き出す時はなぜか2時間もかかりました。
誤ってデータを削除してリンクが切れたときも、どこからともなく「メェー…」とヤギの鳴き声がして、キョロキョロ。私、寝ぼけてる??思わず笑ってしまいました。


2. チュートリアル選びと学習ペース

普段、私は本で独学してチュートリアルをこなしていますが、難易度が高くじっくり学ぼうとして時間がかかりすぎていました。またチュートリアルで作るものはインパクトが強すぎて、カッコいいけれど難しくて応用は出来ませんでした。そのため、わからない箇所はYouTubeで調べながら、自分のレベルに合うものを選び、補足しながら学習を進めています。

PremiereProでは学んだことをすぐにアウトプットできましたが、AfterEffectsではそれができないことがもどかしく、身についている実感が得られず悩んで学習の手を2週間止めた時期もありました。
「チュートリアルは一気に進めず段階的に学ぶ」「まずは短いプロジェクトから」「完璧を目指さない」など自分なりの学習戦略を立てて取り組んでいこうと思います。
チュートリアルは操作を覚える面では役に立ちますが、アウトプットを早く何度も繰り返していくためには、やりたい演出を決めてを検索する方が圧倒的に早く知識になると感じました。


3. 細かい表現の難しさ

紫陽花の色変化や水面のゆらぎ、雨をイメージした文字エフェクトなど、細部の表現にこだわりたかったのですが、エフェクトのパラメータが多く、納得いくまで何度も微調整が必要でした。
特に「自然な動き」を出すのは難しく、思い描いたイメージと実際の映像のギャップに悩みました。
月を紫にしたら、さつまいもに見えてしまったり、SF宇宙戦争のようになったり。
雨のはずが雪に見えたり、頭を抱えて笑いました。

そのトライ&エラーのおかげで、このエフェクトを使ったら、こんな結果が得られる、少しですがそんなイメージがつきました。だいたい失敗している箇所はキーフレームを二重に打っていたり、プリコンポーズした中に不要な隙間やレイヤーが含まれているせいで、1フレーム分の黒背景が生まれてしまったり。今日できなかったからこそ、明日は原因が特定できそうだと自信につながりました。


4. 機材とソフトの制約

撮影はスマートフォン(Google Pixel9)で行いましたが、初めて4K素材をAfter Effectsで扱いました。メモリが足りず、プロキシや、IN・OUTポイントを使ってプレビューをしたり、再起動を何度も行ってなんとか作りました。重すぎるのでもう少しAfterEffectsを試してみて、作業環境が改善できるか、フローで解決できそうか考えたいと思います。
今回は最後の音処理だけPremiereProを使ったので、パーツごとにPremiereへ読み込ませたら軽くなるか実験してみたいです。


最後に…

After Effectsは難しいけれど、やりたい表現ができたときの喜びは格別です。
これからもチュートリアルや他のクリエイターさんの作品を参考にしながら、少しずつスキルを積み重ねていきたいです。

人と比べず、小さな挑戦を一つずつ。時には火事場の馬鹿力に頼りながらでも、積み重ねが自分だけの成長になる。そんな気がしています。
睡眠と休憩と、ネタが枯渇した時はPCから離れるのも勇気です。
同じように悩みながら挑戦している方の参考になれば嬉しいです。