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スマホ撮りによる雨天撮影の失敗記録

ある日の雨天、雨でしか撮れない景色を映像に残したくなり、スマホとジンバルを持って撮影に行ってきました。
半日ほど小雨になったり土砂降りになったり。
あの手この手で撮影をし、スマホの不得意分野が見えてきました。今回検証できたことを関連する専門用語と一緒にまとめていきます。
※スマホ動画の撮影を想定して書いています。

1. 4K設定でHDRが設定できず、悪天候でより鮮やかさがない映像。

  • HDR(High Dynamic Range)は、広いダイナミックレンジと広色域(色域=Color Gamut)を活かして、より鮮やかでリアルな映像を作る。
  • HDRが使えない場合、SDR(Standard Dynamic Range)となり、色域や明るさの幅が狭くなる。
  • 4K撮影時にHDRが選べない場合は「Rec.709」などの狭い色域で記録される。(HDRを選択できた場合、「Rec.2020(BT.2020)」が色域として使用される)

専門用語

  • HDR(ハイダイナミックレンジ)
  • SDR(スタンダードダイナミックレンジ)
  • 色域(Color Gamut)
  • Rec.709(SDRの標準色域)、Rec.2020(HDRの広色域)

2. オートマクロフォーカスはピントがずれやすく、狙った絵は作れない。マニュアルのあるスマホでもシャープさにかけるメリハリがない映像。

  • スマホのオートフォーカス(AF)はマクロ(近接撮影)で迷いやすく、ピントがズレてしまう。
  • マニュアルフォーカス(MF)機能がないスマホの場合、サードパーティアプリを使う選択肢もある。ただし、DJIのジンバルを併用する場合は、DJI専用カメラアプリとの連動によって操作できる機能があるためその利点は切り捨てる必要がある。
  • スマホカメラは一眼カメラに比べて、センサーサイズが小さくレンズも単純なので、背景ボケ以外の部分のシャープさや立体感は弱い。

専門用語

  • オートフォーカス(AF)
  • マニュアルフォーカス(MF)
  • マクロ撮影
  • 被写界深度(Depth of Field)

3. シャッタースピードの限界。被写体が走る、雨が落ちるなど、急激な動きはブレや色潰れの原因。ディテールが大幅に落ちた映像。

  • マニュアルモード搭載のスマホであればシャッタースピードの調整は可能。
  • 雨や動きの速い被写体を止めたい場合、高速シャッターが必要になる。暗い環境やスマホの限界で十分な光が得られず、ノイズや色潰れ、ブレが発生する。

    *シャッタースピード参考*
    1/30秒 →手ブレや被写体ブレが出やすい(遅いシャッター)
    1/500秒 →人の動きや車の動きを止めやすい
    1/2000秒 →水しぶきや飛ぶ鳥もピタッと止まる(高速シャッター)

  • 動画ではフレームレートや電子シャッターの仕様も影響する。フレームレートが低い、またはフレーム落ちが発生すると、動画がカクカクして滑らかに見えなくなる。電子シャッターはスマートフォンやミラーレスカメラに標準搭載されている。電子シャッターが切れるのが遅くても早すぎてもブレやカクツキに繋がる。シャッタースピードが自動のスマホを使っている場合、この症状が顕著に出る。

専門用語

  • シャッタースピード
  • 被写体ブレ(Motion Blur)
  • ノイズ
  • フレームレート
  • 電子シャッター

このような理由が重なり、今回の雨天はスマホカメラにとって悪条件だったのだろうなと考えました。

じゃあ、雨天に何を撮ろうか?
悪影響を受けにくい撮影を工夫したり、動きの少ない被写体や(止まっているものをメイン被写体にして雨を背景にする、水の波紋、雨垂れ)音録りに徹する。
あとこれは最終手段ですが、編集時の映像にノイズやグレインをかけることも選択肢かなと思いました。

限られた道具を使いこなすことは、カメラ撮影の基本を理解すること繋がると信じて。これからもやってみたいこと、試してダメだったことも、繰り返したいと思います。無謀な挑戦だったとはいえ、やはり悔しいですね。

結論:雨天は綺麗に撮れないのでお勧めしない。スマホしかない、でも雨の風景がどうしても撮りたい、私ならこうする。
今回はそんな記録でした。